FBI、EPA、財務省がCitibankに資金凍結を指示、トランプ政権が気候資金の回収を試みる | TechCrunch
背景と経緯
2024年4月、Citibankが裁判所に提出した文書により、FBI、EPA(環境保護庁)、EPA監察官、財務省が、いくつかの非営利団体や州政府機関の口座を凍結するよう要請していたことが明らかになりました。この口座凍結は2024年2月に実施されていましたが、今回の新たな文書公開により、これまで知られていなかった詳細が明らかになりました。特に、FBIの調査対象となっている非営利団体のリストが公開された点が注目されています。
これらの資金は、2022年に議会で可決された**インフレ削減法(Inflation Reduction Act)の一環として設立された270億ドル規模の温室効果ガス削減基金(Greenhouse Gas Reduction Fund)から拠出されたものです。このうち、EPAは140億ドルを「National Clean Investment Fund(国家クリーン投資基金)」**として受け取り、グリーンバンク(環境関連の融資を行う金融機関)に助成金を提供していました。
グリーンバンクの役割と資金の流れ
グリーンバンクは、これらの資金を活用して、国内のクリーンテクノロジープロジェクトに融資を行います。特に、商業規模での展開が可能な技術を持つスタートアップが対象となり、プロジェクトの実現を支援するための資金が提供されていました。
- 資金の特徴
主に融資として使用され、返済された資金は再び貸付に回される仕組みです。グリーンバンクの延滞率は、他の商業・住宅ローンポートフォリオと同程度であるとされています。
Citibankは、この資金の管理を行う金融代理人として選ばれ、受賞者名義の口座で資金を保管していました。また、Citibankは別途、**60億ドル規模の「Clean Communities Investment Accelerator(クリーンコミュニティ投資加速プログラム)」**の管理も担当しています。このEPAとCitibankの契約は、2024年4月に公表されました。
FBIとEPAによる資金凍結の詳細
FBIは、グリーンバンク資金を受け取った非営利団体の口座に対し、30日間の行政凍結を行うようCitibankに要請しました。また、他の非営利団体や州政府機関の口座も凍結対象となり、以下の団体が含まれています:
- Habitat for Humanity(ハビタット・フォー・ヒューマニティ)
- United Way(ユナイテッド・ウェイ)
- Colorado Clean Energy Fund(コロラドクリーンエネルギー基金)
- New York State Department of Taxation and Finance(ニューヨーク州税務財務局)
非営利団体の反発と訴訟
この資金凍結に対し、グリーンバンク資金を受け取った3つの非営利団体がCitibankを提訴し、口座内の資金の解放を求めています。
EPAの立場と疑念
EPAのリー・ゼルディン管理官は、温室効果ガス削減基金について「この基金は、EPAの優先事項と一致していない」と述べ、さらに「詐欺の可能性がある」と懸念を示しました。ただし、これを裏付ける具体的な証拠は提示されていません。
「この基金はEPAの優先事項と一致していない。」
- リー・ゼルディン(EPA管理官)
まとめ
今回の資金凍結は、インフレ削減法に基づく気候資金の運用に対する疑念や政治的な対立を浮き彫りにしています。特に、非営利団体や州政府機関が巻き込まれる形での資金凍結は、環境政策の実行における課題を象徴しています。
キーワード
- インフレ削減法(Inflation Reduction Act)
- 温室効果ガス削減基金(Greenhouse Gas Reduction Fund)
- グリーンバンク(Green Bank)
- National Clean Investment Fund
- Clean Communities Investment Accelerator
- 資金凍結
- EPAの優先事項
- 詐欺の可能性
この問題は、気候変動対策と政治的な駆け引きが交錯する複雑な状況を示しており、今後の展開が注目されます。